db:migrateした分だけdb:rollbackするrubygemを書いた

naoty/batch_rollbackというrubygemを書いた。

様子

これはdb:migrateでmigrateしたversionやステップ数を記録しておいて、db:rollbackでまとめてrollbackできるようにする。

モチベーション

このrubygemを書いた動機としては、ロールバックを安全に自動化したかった。Railsアプリケーションをロールバックするにはrails db:rollbackを行うことになるが、そのとき問題になるのはSTEPをいくつにするかということがある。リリース時にdb:migrateしたmigrationファイルがいくつあったかはリリースごとに異なるため、ロールバックを自動化する上で問題になる。

そこで、db:migrate時にmigrateされたバージョン数を記録しておき、db:rollbackSTEPに指定するrubygemを書いた。

仕組み

db:migrateの前後にRakeタスクを追加し、migrationされたバージョンやステップを記録している。あるRakeタスクの前後に実行させたいRakeタスクを追加するにはRake::Task#enhanceを使う。Railtie#enhanceしたい場合はRailtie.rake_tasksブロック内で行う。

module BatchRollback
  class Railtie < Rails::Railtie
    rake_tasks do
      namespace :batch_rollback do
        task :pre_migration do
        end

        task :post_migration do
        end
      end

      Rake::Task["db:migrate"].enhance(["batch_rollback:pre_migration"]) do
        Rake::Task["batch_rollback:post_migration"].invoke
      end
    end
  end
end

migrationされたバージョンやステップの記録はrubygem内に定義したちょっとしたmodelから行っている。

module BatchRollback
  class MigrationStep < ActiveRecord::Base
  end
end

こうしたmodelのためのテーブルを作成するには、migrationを使うわけにはいかないので、ActiveRecord::ConnectionAdapters::SchemaStatements#create_tableを利用する。このメソッドを使うとmigrationで使うDSLを使って簡単にテーブルを作成できる。

module BatchRollback
  class MigrationStep < ActiveRecord::Base
    class << self
      def create_table
        connection.create_table(table_name) do |t|
          t.string :current_version
          t.string :target_version
          t.integer :step
        end
      end
    end
  end
end

こういったテクニックを組み合わせることで今回のrubygemを実装することができた。