ラムダ式・メソッド参照
はるか昔にAndroidアプリを開発していたときはJava 1.6を使っており、当時はラムダ式などはなく無名クラスを実装するしかなかった。Javaを書くのはそれ以来なので、ラムダ式やメソッド参照を確実に理解しておきたい。
関数型インターフェイス
ラムダ式の前に関数型インターフェイスを理解する必要がある。関数型インターフェイスは実装すべきメソッドが1つだけのインターフェイスだ。
interface Function {
R apply(T t);
}
java.util.function
パッケージに汎用的な関数型インターフェイスが定義されており、以下のような命名規則に従っている。
-
*Function
: 引数を受け取って、戻り値を返す -
*Consumer
: 引数を受け取って、戻り値を返さない(副作用をおこす) -
*Predicate
: 引数を受け取って、booleanを返す -
*Supplier
: 引数を受け取らず、戻り値を返す
さらに、引数を2つ受け取る場合はBiFunction
のようにBi*
というprefixがつき、特定の型を扱う場合はIntConsumer
というように型名がくっつく。
ラムダ式
関数型インターフェイスを実装する際に、以前のように無名クラスを定義する代わりに以下のようにラムダ式を渡せる。
以下の2つのコードは同じ結果になる。
Arrays.sort(words, (a, b) -> a.compareTo(b));
Arrays.sort(words, new Comparator<String>() {
public int compare(String a, String b) {
return a.compareTo(b);
}
});
Comparator
インターフェイスもcompare
しか抽象メソッドをもたない関数型インターフェイスで、compare
の実装部分をラムダ式として渡すことができる。
メソッド参照
ラムダ式を定義する際にただメソッドを呼び出しているだけの場合、メソッド参照を使うことでさらに簡潔に書けるようになる。
上記の例だと、ラムダ式はただcompareTo()
を呼び出しているだけなので、メソッド参照を使って下のように書ける。
Arrays.sort(words, String::compareTo);
メソッド参照は4種類ある。以下の2つ並んだコードはいずれも同じ結果になる。
staticメソッドへの参照
Stream.of("1", "2").map(text -> Integer.valueOf(text));
Stream.of("1", "2").map(Integer::valueOf);
特定のオブジェクトに対するインスタンスメソッドへの参照
Stream.of("java", "ruby").forEach(lang -> System.out.println(lang));
Stream.of("java", "ruby").forEach(System.out::println);
引数のオブジェクトに対するインスタンスメソッドの参照
Stream.of("java", "ruby").map(lang -> lang.toUpperCase());
Stream.of("java", "ruby").map(String::toUpperCase);
コンストラクタへの参照
Stream.of("java", "ruby").map(lang -> new StringBuilder.new(lang));
Stream.of("java", "ruby").map(StringBuilder::new);
おさらい
関数型インターフェイスや4種類のメソッド参照を理解できると、Stream#collect
が理解できてくる。下のコードは同じ結果になる。
Stream.of("java", "ruby").collect(
() -> new ArrayList<>(),
(list, lang) -> list.add(lang),
(list1, list2) -> list1.addAll(list2)
);
Stream.of("java", "ruby").collect(ArrayList::new, ArrayList::add, ArrayList::addAll);
-
collect
の引数は順にSupplier
,BiConsumer
,BiConsumer
となっている。上述のとおり、Supplier
は引数を受け取らず、今回だとArrayList
を返す。BiConsumer
はBi
とあるとおり2つの引数を受け取り、戻り値がない。 -
collect
の第一引数ではコンストラクタへの参照を利用し、第二、第三引数ではラムダ式の引数に対するインスタンスメソッドへの参照を応用している。